日本における衝撃波研究および研究会の歴史
日本の衝撃波研究は1960年代に東京大学航空研究所の玉木章夫教授の衝撃波管の実験に始まり、米ソの宇宙開発競争の刺激を受けて、東京大学航空研究所、京都大学超空力研究施設の活動を中心に推進され、1973年、京都大学神元五郎教授が日本を代表して衝撃波管研究会を組織し、この年に開催された国際衝撃波管シンポジウムで日本の衝撃波管研究を世界に紹介したことがこの研究会活動の原点となっています。1975年、第8回国際衝撃波管シンポジウムが京都で開催されたのち、研究会は東京大学小口伯郎教授、大島耕一教授を中心に運営され、その活動は毎年東京大学宇宙航空研究所(現
JAXA宇宙科学研究所)での衝撃工学シンポジウムの開催を通して持続されました。1990年、文部省科学研究費重点領域研究「衝撃波現象の解明」の助成と、1991年、衝撃波管シンポジウムの視野を広げた第18回国際衝撃波シンポジウムの仙台開催を好機に、日本の衝撃波研究会は再編成されました。国際シンポジウムの名称から「管」が取れたのも、主催者である東北大学流体科学研究所衝撃波工学研究センター長(当時、のちに衝撃波研究センター)高山和喜教授の英断によるもので、対象の拡大に大きな意義がありました。日本衝撃波研究会の初代会長には、千葉大学本間弘樹教授が就任し、東京圏を中心に会場を設営した衝撃波シンポジウムが開催されるに至りました。この国際シンポジウム開催を契機に、日本の衝撃波研究は、国際的な展開ばかりでなく、研究範囲も航空宇宙工学の基礎研究から、プラズマ物理、衝撃波医療、地球天体物理、凝縮媒体中の衝撃波、数値シミュレーションと先端計測技術、類似現象への目配りなどの学際応用とさらに産業応用へと広がっています。 特に近年の高速度撮影に代表されるデジタル計測、数値解析法およびリソースの飛躍的な発展は、研究成果のvisibilityの高さも踏まえ、衝撃波研究の新たな展開に拍車をかけるものになっています。
役員紹介(2024−2025年度)
役職 |
氏名 |
所属 |
会長 |
藤田 和央 |
株式会社 ElevationSpace |
副会長 |
水書 稔治 |
東海大学 工学部 |
副会長(事務局長) |
永井 大樹 |
東北大学 流体科学研究所 |
幹事(事務局) |
大谷 清伸 |
東北大学 流体科学研究所 |
幹事(事務局) |
山田 和彦 |
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 |
幹事 |
松岡 健 |
名古屋大学大学院 工学研究科 |
幹事 |
高橋 俊 |
宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 |
幹事 |
松本 亮 |
産業技術総合研究所 安全科学研究部門 |
幹事 |
小川 秀朗 |
九州大学大学院 工学研究院 |
幹事 |
宇田川 真介 |
東京都立産業技術高等専門学校 |
幹事 |
渡辺 保真 |
豊田工業大学 工学部 |
幹事 |
嶋村 耕平 |
東京都立大学 システムデザイン学部 |
幹事 |
永田 靖典 |
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 |
幹事 |
鵜ロ 孝博 |
大阪工業大学 工学部 |
幹事 |
市野 宏嘉 |
防衛大学校 建設環境工学科 |
幹事 |
塚本 哲 |
防衛大学校 応用物理学科 |
幹事 |
尾崎 典雅 |
大阪大学大学院 工学研究科 |
幹事 |
小板 丈敏 |
早稲田大学 理工学術院 |
監査 |
半田 太郎 |
豊田工業大学 工学部 |
監査 |
樫谷 賢士 |
防衛大学校 航空宇宙工学科 |